巻頭言
旅とリハビリテーション
栗林 環
1
1横浜市障害者更生相談所
pp.209
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203056
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リハビリテーションの専門職としてかかわることができる世界は広いと思います.急性期や回復期におけるリハビリテーション医療が重要なのはもちろんですが,生活期にその人らしい生活をするための支援も重要です.生活期の支援も多岐にわたりますが,私がかかわってきた旅における支援(リハビリテーション)の話をしようと思います.
入院中の面談や外来診療で,患者・家族から「いつ頃旅行に行けますか?」と聞かれることはないですか? その時どんな言葉をかけますか? 私自身も旅行が大好きで,旅の魅力を実感している一人です.旅の魅力は,旅先で非日常感を味わえる楽しさ,リラックス効果,新たな出会いによる成長,と挙げるときりがありません.私は旅行にぜひ行きましょうと話をしています.どんな障害でも旅に行くことができますが,旅行に一歩踏み出せないのには3つのバリアがあると言います.身体のバリア,心のバリア,環境のバリアの3つです.よく海外は旅行しやすいと言われますが,日本も少しずつ観光地の環境改善が進んだり,現地で旅の支援をする団体も増えてきたりしています.身体,環境のバリアは状態に合わせて旅を計画することで対応できる部分もあります.心のバリア,ご本人の「不安」,「自信のなさ」に対してはどうでしょうか?
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