海外だより 印象記と研究室だより
Yale大学訪問記
高木 貞敬
1
1ミシガン大学
pp.152-153
発行日 1965年6月15日
Published Date 1965/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902629
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12月16日DetroitのMetropolitan空港8時出発。New Yorkまで1時間余り,New York市内のタクシーが車の混雑でなかなか走らずやつとPen Stationに着き汽車に乗る。昼すぎNew Havenに着く。10年前には汚らしい町でこれでは"Old"Heavenだなどといった町が,今度きてみると最新の高層ビルが建ち,スーパーハイウエイが走り,まつたくBrand"New Heaven"という感じ。
まずDr.M.R.Delgadoを訪問する。スペイン系アメリカ人でAssociate Professer。初対面にもかかわらず私の論文を読んだといつて大変親しく応待される。まず今何をやつているかとたずねられ,つぎに教授が今やつていられることの説明をされる。私が動物の行動,とくに嗅覚行動に関心をもち,できるだけ早い機会にその研究を始めたいというと,"それはまだ全然やつていない"という答であつた。日本のモンキーセンターも話題となつた。ついで地下の実験室へ降りて行く。途中,フルトン教授を慕つてスペインからきたなど話を聞く。若い方の秘書とはスペイン語で話をされる。地下の実験室は二室からなり,小さいガラス窓を通して一室の中におかれた檻(目測では横7尺,高さ5尺,奥行4尺)の中に猿が5匹入つていて2匹と3匹の二群に分れている。
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