Japanese
English
特集 リハビリテーションと精神・心理
精神障害と運動機能不全
Some Notes of Physical Disability With Mental Disorder.
水島 繁美
1
Shigemi Mizushima
1
1帝京大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
運動精神障害
,
精神科治療
,
心療リハビリテーション医学
Keyword:
運動精神障害
,
精神科治療
,
心療リハビリテーション医学
pp.207-211
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107025
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はじめに
精神障害者で同時に運動障害を待つ患者(以下,運動精神障害者と呼ぶ)のリハビリテーションは,他の一般的障害者のそれと比べて独特な難しさがあると言われている.精神障害者はリハビリテーションの過程でどのような難しさを見せるのであろうか?とにかくも,これまでのところ本障害に対するリハビリテーション関係者の関心は非常に乏しく,追究もあまりされなかったのは確かである.しかるに,実際のリハビリテーションではこのような患者の治療に与ることが意外に多く,リハビリテーション関係者の何人といえどもこれを避けることはできないのである.また運動精神障害は単にリハビリテーション医療の問題だけではなく,精神医療に関わる多くの問題も内包している.筆者はこれまでにもこの問題の一部を報告1,2)してきたが,未だこの領域への関心は十分とは言えず,多くの問題が今後の検討に委ねられたままになっている.
したがって,本稿では本障害の実態を紹介することを主目的にしよう.そこで,精神障害者が運動障害を伴うに至った原因を取り上げ,次に代表症例を示して本障害のリハビリテーションに関わる基本問題(誌面の関係もあり,特に精神分裂病を中心として)に触れ,最後に将来の課題を述べて締めくくることにしたい.
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