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特集 リハビリテーションと精神・心理
リエゾン精神医学とリハビリテーション医療―特に心理社会的観点の導入における有用性について
Liaison Psychiatry and Rehabilitation Medical Practice.
才藤 栄一
1
,
江端 広樹
1
,
近藤 国嗣
1
Eiichi Saitoh
1
,
Hiroki Ebata
1
,
Kunitsugu Kondo
1
1東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
リエゾン精神医学
,
心理社会的観点
,
医療心理学
Keyword:
リエゾン精神医学
,
心理社会的観点
,
医療心理学
pp.201-206
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107023
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はじめに
リハビリテーション医療において,心理社会的側面に関する知恵が重要なことは万人の認めるところである.しかし,実際のリハビリテーション医療関係者の心理社会的側面についての知識の乏しさもまた事実であろう.さて,リエゾン精神医学は精神科と身体科との連携形態の一つである.これは特定の患者や出来事に付随して単発的に生じる関係ではなく,初めから精神科医を身体科チームの構造に加えて一貫した継続的協力体制をつくり上げ,包括的医療の実行を図ろうとするもので,比較的新しく,まだ一般的な治療体制の形態とはなっていないが,その組織の心理社会的側面に関する構造的変革に効果的な方法として有望視されている.
この小論ではまずリエゾン精神医学の概要について簡単に触れ,次にそれがリハビリテーション医療組織に体系的な心理社会的観点をもたらし得ることを述べる.つまり,患者心理,対人関係,組織文化などの事象理解に関する「道具としての心理社会的知識」のリハビリテーション医療における重要性を強調し,各施設でのリエゾン精神医学の導入を提言する.
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