書評
土肥信之・岩谷 力・栢森良二 編―リハビリテーション処方必携 運動療法・物理療法・作業療法
木村 伸也
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1東京大学医学部付属病院リハビリテーション部
pp.1004
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106928
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リハビリテーション医学における処方については,本誌でも1990年4月号において特集が組まれ,すでに多くの読者が読んでおられることであろう.その中で,処方がリハビリテーション・チームのコミュニケーション過程のもっとも重要なものであるにもかかわらず,研修途上にあるリハビリテーション医に処方についての教育を行うに際しての,適切な入門書が極めて少ないことが指摘されている.このような中で,本書のようなリハビリテーション処方の入門書が発行されたことは時宜を得たものといえる.
本書は日本リハビリテーション医学会,本誌などにてすでに実績の知られた専門医18名の分担による執筆である.コンパクトな本ではあるが,運動障害の基本的考え方から,評価法,リスク管理,運動療法,作業療法,物理療法といった基本的治療手技までの総論と,脳卒中,脊損,関節リウマチ,脳性麻痺,骨関節疾患等のリハビリテーション医学が対象とする主な疾患,障害についての具体的評価法,アプローチ法,処方例といった各論とにわたって,日常のリハビリテーション診察に必要とされる基本的知識を網羅しており,リハビリテーション専門医を志す医師にとっても,また一般臨床家にとっても手頃なリハビリテーション医学入門の書といえる.
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