Japanese
English
症例報告
閉塞性動脈硬化症のため右腋窩-大腿動脈バイパス術を行った左大腿切断の1症例
A Left Above-Knee Amputee with Right Axillary -Femoral Artery Bypass.
美津島 隆
1
,
緒方 甫
1
,
蜂須賀 研二
1
,
田中 宏太佳
1
,
森田 秀明
2
Takashi Mizushima
1
,
Hajime Ogata
1
,
Kenji Hachisuka
1
,
Hirotaka Tanaka
1
,
Hideaki Morita
2
1産業医科大学リハビリテーション医学
2桃崎病院
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
2Momosaki Hospital
キーワード:
動脈硬化症
,
切断
,
腋窩-大腿動脈バイパス術
Keyword:
動脈硬化症
,
切断
,
腋窩-大腿動脈バイパス術
pp.911-913
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106905
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はじめに
腋窩-大腿動脈バイパス術は,皮下に設置したグラフトを通じて腋窩動脈の血流の一部を大腿動脈へ還流させる血行再建術である1).従来の大動脈-大腿動脈バイパス術や大動脈-腸骨動脈バイパス術とは異なり,開腹手術や後腹膜処置が不要で,硬膜外麻酔や局所麻酔のみで施行可能であり,腋窩-大腿動脈バイパス術の手術侵襲は極めて小さいと考えられる.しかし,再建血行が非生理的であり,グラフト距離が著しく長くなるため,外からの圧迫などでグラフト内血栓を生じる可能性があり,リハビリテーション上血栓予防の配慮が必要となる.
最近,我々は閉塞性動脈硬化症による左外腸骨動脈閉塞のため左大腿を切断し,さらに1年3か月後に右外腸骨動脈閉塞のため右腋窩-大腿動脈バイパス術を施行した症例を経験したので,切断者に対する腋窩-大腿動脈バイパス術後のリハビリテーションの注意点とともに症例を報告する.
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