Japanese
English
特集 リハビリテーション看護の新たなる見直し
障害別にみたリハビリテーション看護の特殊性―頸髄損傷者の看護
Differentiation of Rehabilitation Nursing for Disabled Persons.
平野 小浪
1
Konami Hirano
1
1総合せき損センター
1Iizuka Spinal Injuries Center
キーワード:
リハビリテーション看護
,
頸髄損傷
Keyword:
リハビリテーション看護
,
頸髄損傷
pp.871-874
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106897
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はじめに
近年,交通災害による脊髄損傷は急激に増加し,その中でも胸腰髄損傷に比較し頸髄損傷は増加の一途をたどり,脊髄損傷全体の約67%に達しているのが当センターの現状である.受傷原因は交通事故,転落,スポーツ事故,落下物等による事故である.
患者は一瞬の事故で四肢麻痺,あるいは対麻痺となり,重度の身体障害者としての生活を余儀なくされる.脊髄損傷者にとっては麻痺を最小限にとどめ,生命の維持,合併症予防,早期離床,早期家庭復帰,社会復帰を目指すため,ナースは当初より長期にわたる一貫したリハビリテーション看護が要求される.
特に四肢麻痺では対麻痺に比し,一髄節の差は大きく,機能的予後に大きな差を残す.ナースは初期の患者の取り扱い,体位交換,排泄等には最善の注意を払い,持てる看護の技術を駆使しなければならない.と同時に,リハビリテーション看護の中でも身体的,社会的アプローチのみならず,心理的,精神的アプローチが極めて重要視される.
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