Japanese
English
実践報告
机上での神経心理学的検査とCatherine Bergego Scaleによる行動評価で半側空間無視の乖離がみられた右半球損傷患者の検討
The study of right-hemisphere stroke patients with dissociations of unilateral spatial neglect in behavioral assessment using the Catherine Bergego Scale and a neuropsychological test battery consisting of paper-and-pencil tests
竹内 健太
1
,
竹林 崇
2
,
笹沼 里味
1
,
島田 真一
3
Kenta Takeuchi
1
,
Takashi Takebayashi
2
,
Satomi Sasanuma
1
,
Shinichi Shimada
3
1伊丹恒生脳神経外科病院
2兵庫医科大学病院
3伊丹恒生脳神経外科病院 脳神経外科
キーワード:
半側空間無視
,
評価
,
右半球損傷
Keyword:
半側空間無視
,
評価
,
右半球損傷
pp.97-101
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200469
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Abstract:臨床場面では,机上検査と日常生活動作(activities of daily living:ADL)場面との間で半側空間無視(unilateral spatial neglect:USN)の乖離が生じることがある.本報告は,机上検査ではUSNがみられなかったが,Catherine Bergego Scale(CBS)による行動評価でUSNがみられた右半球損傷の7症例を提示し,乖離が起こる要因を検討したものである.机上検査とCBSによる行動評価は,同一日に同一のOTが実施した.机上検査では,5つの検査のうち1つでもカットオフ点以下があった場合に,CBSではカットオフ点を超えた場合にUSNありと判断した.その結果,7症例とも机上検査ではUSNがみられなかったが,CBSによる行動評価で1症例に中等度,6症例に軽度のUSNがみられた.机上検査とADL場面でのUSNの乖離が生じる要因として,関与する空間の広がりの差異,空間的注意の制御機構の差異が考えられた.したがって,OTはUSNに対して,机上検査だけでなく,ADL場面での行動評価を並行して実施していく必要があると考える.
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