巻頭言
リハビリテーション科? 整形外科?
丸山 俊章
1
1太田綜合病院附属太田熱海病院リハビリテーションセンター
pp.181
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106740
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私の勤務する病院は地方都市の温泉地にあり,総合病院にリハビリテーション(以下,リハ)施設が併設されている.私がこの病院に勤務してから足掛け8年になるが,その前,大学に勤務していたときはリハを担当しており,この病院に勤務した動機は,さらに脊損を中心としたリハをやりたかったからであった.しかし,整形外科の医局からの派遣であり,整形外科の患者さんは現在ほど多くはなかったもののそれなりに来院していた.このような環境においては整形外科疾患の治療にもかなりなウエイトを置かざるを得ず,脊損のリハも並行して行っていた.
こんな経過とともに,脊損の患者さんのリハ依頼はとどまることを知らず,また整形外科の患者さんも増加の一途をたどることになった.慢性関節リウマチや切断の患者さんもかなり増えてきており,一方,外傷も運ばれ,また神経内科が併設されていることもあり,脊椎疾患の手術も決して少なくない.このような状態ではリハ専用のベッド,整形外科専用のベッドと区別するわけにはいかず,病棟内はリハ目的の患者さんと一般整形外科疾患の患者さんが入り混じっている.時には片麻痺やパーキンソンの患者さんが大腿骨頸部骨折を起こし,転科してくることもある.また,片麻痺の内反尖足の腱移行もやらなければならない.これが実情のため,リハ・ベッドは何床あるのかというようなアンケートがあると困惑することになる.そのたびに患者さんの数を数えなくてはならないし,そのたびにベッド数が変ってしまうからである.
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