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研究と報告
線条体病変を有する脳卒中片麻痺における抗パーキンソン剤の有用性(第1報)―中枢性筋弛緩剤としての有効性
Antiparkinson's Drugs as Muscle Relaxants for Striatal Vascular Hemiplegia.
北村 純一
1,2
,
山口 明
1
,
北野 正二郎
3
,
大島 純三
3
,
大野 和男
3
,
竹内 博
3
,
高木 昭輝
4
Jun-ichi Kitamura
1,2
,
Akira Yamaguchi
1
,
Shojiro Kitano
3
,
Junzo Ooshima
3
,
Kazuo Oono
3
,
Hiroshi Takeuchi
3
,
Akiteru Takaghi
4
1国立精神・神経センター武蔵病院リハビリテーション科
2国立秩父学圏
3リハビリテーション振興財団潤和病院リハビリテーション科
4国立療養所東京病院付属東京リハビリテーション学院
1Department of Rehabilitation, National Center Hospital for Mental, Nervous and Muscular Disorder, National Center of Neurology and Psychiatry
3Department of Rehabilitation, Junwa Hospital, Foundation for Promotion of Rehabilitation Medicine
4School of Rehabilitation, Tokyo National Chest Hospital
キーワード:
抗パーキンソン剤
,
脳卒中片麻痺
,
線条体
,
ジストニア
Keyword:
抗パーキンソン剤
,
脳卒中片麻痺
,
線条体
,
ジストニア
pp.49-53
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106710
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はじめに
脳卒中片麻痺における異常筋緊張には筋細胞に作用点を有するdantroleneや脊髄レベルに作用点を有するbaclofenやdiazepamなどが筋弛緩剤として用いられている1,2).今回,我々は線条体に病変を有する脳卒中片麻痺の症例に次のような仮説をたて抗パーキンソン剤の投与を試みた.すなわち,ドーパミン作働性の黒質-線条体経路のドーパミン系の機能低下と相対的なアセチルコリン系の機能亢進は,パーキンソン病ではpresynapticな黒質の変性により固縮を呈するのに対して,脳血管障害での線条体の障害の場合にはpostsynapticな線条体が障害されるために錐体外路症状としてのジストニアが出現し,内包障害による錐体路症状としての痙直が加わり,筋トーヌスの亢進をきたすと仮定した3).その仮説に基づいて抗パーキンソン剤の投与を試み,効果を認めたので報告する.
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