Japanese
English
特集 子供のリハビリテーション
Ⅲ.子供のリハビリテーション(脳性麻痺を除く)
小児の悪性骨腫瘍のリハビリテーション―特に義肢装着訓練について
Rehabilitation of Children with Malignant Bone Tumors: Especially Prosthetic Management.
山鹿 眞紀夫
1
,
徳永 英世
1
,
木永 由美
1
,
福本 和仁
1
,
本多 佐代子
1
,
北川 敏夫
2
,
高木 克公
2
,
米村 憲輔
2
Makio Yamaga
1
,
Hideyo Tokunaga
1
,
Yumi Kinaga
1
,
Kazuhito Fukumoto
1
,
Sayoko Honda
1
,
Toshio Kitagawa
2
,
Katsumasa Takagi
2
,
Kensuke Yonemura
2
1熊本大学医学部附属病院理学療法部
2熊本大学医学部整形外科
1Department of Physical Medicine, Kumamoto University Hospital.
2Department of Orthopedic Surgery, Faculty of Medicine, Kumamoto University.
キーワード:
悪性骨腫瘍
,
化学療法
,
義肢装着訓練
Keyword:
悪性骨腫瘍
,
化学療法
,
義肢装着訓練
pp.857-860
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106631
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はじめに
小児における悪性腫瘍の中で,骨原発性の悪性腫瘍の占める割り合いは3.6~5.6%であり,年間10万人当り0.25~0.34人発生するとされている.この中でも,特に骨肉腫の占める割り合いが多い1~4).
小児における悪性骨腫瘍は予後不良であり,切断を行っても早期に肺転移をきたし死亡することが多かった.しかし,近年化学療法や放射線療法の進歩に伴いその治療成績も向上し,また,患肢温存療法の報告も多くみられるようになってきた5~9).しかし,なおやむなく切断に至る症例も多く,このような患児に対しリハビリテーションを行っていく上で,術前・術後長期にわたる化学療法による義肢装着訓練の遅延・中断等もあり,従来のプログラムを進めていくのには困難なことが多い.
今回は,小児の悪性骨腫瘍による下肢切断例について我々の経験を通してその問題点等について述べ,また,今後リハビリテーション分野でも大きな問題となってくると思われる患肢温存療法に関しても触れたいと思う.
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