Japanese
English
論述
悪性骨腫瘍の治療難航例の検討―再発と合併症について
Difficult Cases of the Therapy in Malignant Bone Tumor
大幸 俊三
1
,
平良 勝成
1
,
吉田 行弘
1
,
武 郁
1
,
川野 壽
1
,
鳥山 貞宜
1
Shunzo Osaka
1
1日大駿河台病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine
キーワード:
悪性骨腫瘍
,
malignant bone tumors
,
再発
,
recurrence
,
合併症
,
complications
Keyword:
悪性骨腫瘍
,
malignant bone tumors
,
再発
,
recurrence
,
合併症
,
complications
pp.925-931
発行日 1991年8月25日
Published Date 1991/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900404
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抄録:悪性骨腫瘍の治療成績は改善されてきているが,手術や組織診断の困難な症例に再発がみられており,また,種々の合併症も増加している.1966年から1987年の期間に当教室で手術が施行された悪性骨腫瘍98例のうち,再発や合併症のみられた21例(3例は再発と合併症例)ついて検討した.手術再発例は骨悪性線維性組織球腫,骨肉腫,軟骨肉腫,脊索腫などの18例で,また,重大な合併症を伴った症例は6例である.再発の原因としては,術前に良性とされたものやsurgical marginの決定に問題のみられたものなどであった.合併症は,動脈と神経損傷は手技上のもので,動脈血栓は動脈にテープを掛けたためであり,神経麻痺は軟部組織の欠如から神経を圧迫したものである.
前術の画像,組織診断をよく検討し,低悪性の骨腫瘍であっても,十分なsurgical marginを得なければならない.また,動脈を剥離した場合は血栓症の発生を念頭におく必要がある.
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