Japanese
English
特集 老人のリハビリテーション
在宅障害老人の生活環境整備
Modification of Living Environments for Home-bound Disabled Elderly.
石神 重信
1
,
佐竹 将宏
1
,
大竹 朗
1
,
八藤後 猛
2
Shigenobu Ishigami
1
,
Masahiro Satake
1
,
Akira Ohtake
1
,
Takesi Yatougo
2
1防衛医科大学校病院リハビリテーション部
2国立職業リハビリテーションセンター研究部
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, National Defense Medical College Hospital.
2Technical Research Department, National Vocational Rehabilitation Center for the Disabled.
キーワード:
在宅障害老人
,
家庭評価
,
生活環境整備(住環境)
Keyword:
在宅障害老人
,
家庭評価
,
生活環境整備(住環境)
pp.507-513
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106547
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はじめに
ねたきり老人問題を中心として,在宅障害老人の在宅ケアは,リハビリだけでなく社会福祉の最重要問題として大きくクローズアップしてきている.生活環境整備が重度障害者の家庭生活での日常生活動作(ADL)自立や家族の介助の軽減に極めて大きな役割を持っており,家庭評価(Home Evaluation)により指導される1).生活環境は住環境(住宅)と都市環境とに大別できるが,在宅重度障害老人の多くは外出の機会が少なく家庭内生活が中心となるため,前者の比重は大きい.住環境整備の内容としては,自助具・日常生活用具や介護用具の使用,部分構造から増改築までの家屋改造,リフターや階段昇降機さらには環境制御システムの導入まで含まれ多岐にわたる.
これらの環境整備は,単に障害者の障害の種類や身体機能レベルだけでなく,既存の住宅構造,家族の介助能力や同居家族の構成,経済的問題,さらには地域性など多数の因子の考慮も必要となり,整備は画一的に行うわけにいかない.家族への経済負担を軽減するための老人や重度障害者への日常生活用品の給付・貸与や家屋改造への補助など社会福祉諸制度があることから,整備にあたっては家族に十分説明することが大切である.
障害老人の入院長期化を含め老人医療の見直しが迫られている現在,我々リハビリ関係者が入院から在宅へのリハビリへの積極的展開の基本技術として生活環境整備を見直す時期にきているのではないだろうか.今回は病院から退院する重度障害老人の生活環境整備(住環境)を中心に述べたい.
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