書評
―津山直一(国立身体障害者リハビリテーションセンター)〔監修〕―標準リハビリテーション医学―上田 敏・大川嗣雄・明石 謙〔編集〕
小野 啓郎
1
1大阪大学
pp.242
発行日 1987年4月10日
Published Date 1987/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106490
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
リハビリテーション専門医の養成は急務であるが,現状は,それが容易でないことをうかがわせる.治療対象を医学の特定の領域に限定し得ないという事実をとりあげても,それはうなづけることかと思う.細分化という医学一般の趨勢に抗して,幅広い専門性がここでは要求されるわけである.現時点で,一体,その守備範囲はどこまでなのか?他の臨床医学とくらべてどこが際立った特徴で,どこに面白味があるのか,などという疑問にこのスマートな書はよく答えてくれる.リハビリテーション医学の真髄はと,あえて言うならば,それは障害学であると主張する.障害学から見たり,考えたりすれば疾病(というよりも,患者は)どう扱われるのが正当かを明確にした書物といえるだろう.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.