追悼
津山直一先生を偲んで
福屋 靖子
1
1法政大学現代福祉学部
pp.558
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100118
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先生の突然の訃報に接し,しばし言葉を失い,津山先生という大木に寄りかかっていた自分に今さらながら気付かされた.先生に感謝の言葉を告げ得なかった自分が悔やまれ,つい4か月半前の初山先生の告別式での胸を打つ暖かい弔辞とお元気そうなお姿が目に焼き付いており,残念でならない.
津山先生は東大整形外科教室の主任教授,国立身体障害者リハセンター総長,日本リハ医学会理事長,肢体不自由児協会会長という重責を歴任されたのみならず,第1回PT・OT国家試験部会長として,制度発足に際しPT・OTを高い質的レベルに定められた実質的な産みの親である.私と先生との出会いは東大医学部衛生看護学科学生時代に受けた“ポリオ”の講義の強烈な印象から始まり,衛看卒者のリハビリテーション領域に進んだ者の集まりである“津山先生を囲む会”,としての40年余に亘るものであった.この学科の開設(1954年)には,近代的医療におけるチーム医療には馴染み難い,それまでのドイツ流の医学教育の欠陥を修正しようとする背景があり,コ・メディカルワーカー(セラピスト)を教育するという,日本最初のモデルケースとして期待され,先生はその先陣としてご尽力されていた.
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