今月の主題 神経内科エマージェンシー―日常臨床でどこまで対応できるか
どのような治療を行うか―実践的アプローチ
脊髄損傷
金子 慎二郎
1
,
塩田 匡宣
1
,
臼井 宏
1
,
中村 雅也
2
,
戸山 芳昭
2
,
松本 守雄
2
1独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科
2慶應義塾大学医学部整形外科
pp.676-679
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
★脊髄損傷による障害のうち1~2割は外傷後の脊椎の不安定性に引き続く二次的な障害が原因であり,頸髄損傷の疑いのある患者を受傷現場から病院まで搬送する際は,硬性装具による頸椎外固定を行うことが重要である.
★脊髄損傷では脊髄ショックによる低血圧がしばしば認められる.虚血による脊髄の二次的損傷を予防するために,可及的早期に静脈内への等張性液の投与を行い,十分な血液循環を維持することが重要である.
★呼吸障害の原因として脊髄損傷が疑われる際には,低酸素による脊髄の二次的損傷を防ぐために,早期に経口または経鼻気管内チューブを設置し,適切な呼吸管理を行うことが重要である.
★脊髄損傷例では,Frankel分類やASIA機能障害スケールを用いて麻痺の高位や程度を評価・記録する必要がある.
★脊髄損傷後の二次損傷予防法としてメチルプレドニゾロン大量投与療法があるが,その効果や施行の是非については議論がある.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.