Japanese
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紹介
「老人保健施設」の企画にかかわって―MSWの立場から
Planning of“Elderly Health Facility”: Viewpoint from a Medical Social Worker.
斉場 三十四
1
Mitoshi Saiba
1
1熊本託麻台病院保健福祉部
1Department of Health and Social Welfare, Kumamoto Takumadai Hospital
キーワード:
老人保健施設
,
高齢者リハビリテーション
Keyword:
老人保健施設
,
高齢者リハビリテーション
pp.543-547
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106310
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はじめに
我々に提議されている問題の一つに高齢化社会到来と増加し続ける医療費問題がある.確かに現在も多額な費用が高齢者群に対する治療に使用されており,今のままでは医療費膨張を続け,医療保険財政は破綻するといわれている.
そこで,医療費負担を少しでも軽減しようと,行政を中心に医療費抑制政策が強められている.その対応として,診療報酬体系の改定はもちろんであるが,その他に以下に述べる2つの大きな新しい方向性が打ち出されている.
一つは「中間施設」,いわゆる「老人保健施設」という新規の概念を登場させることにより,自己負担制の強化とともに医療費支払いに“まるめ方式”を導入することと,もう一つは「在宅医療」,「在宅ケア」重視の方向である.これまでの在院医療から在宅型医療への変換と「中間施設」,いわゆる「老人保健施設」の導入は,我が国の医療と福祉にとって大きな転換期なのである.
今回,筆者の所属する病院が母院となり,老人保健施設モデル事業を実施することになり,その企画段階から参加し,準備を進めてきた.幸いにも厚生省や県の関係者の協力も得られ,1989年2月1日に高齢者支援センター「コスモピア熊本」としてオープンさせることができた.筆者は福祉側代表ともいえる立場で企画から参加してきたが,老人保健施設の性格づけや職員確保,組織,運営上の問題など整理する機会を得たので報告したい.
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