Japanese
English
特集 老人保健施設とリハビリテーション
老人保健施設における「通過性」とそれに伴う問題点
Process and Problems; between Institutional Care and Residental Care in the Nursing Facility for the Elderly.
堀尾 愼彌
1
Shinya Horio
1
1熊本託麻台病院/高齢者支援センター「コスモピア熊本」
1Rehabilitation Center of Kumamoto Takumadai Hospital
キーワード:
老人保健施設
,
通過性
,
在宅ケア
,
在宅介護支援センター
Keyword:
老人保健施設
,
通過性
,
在宅ケア
,
在宅介護支援センター
pp.1147-1152
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107229
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はじめに
厚生省老人保健審議会は平成3年7月3日に「老人保健施設のあり方について」の報告書を提出している.その検討の結果で,施設の性格は基本的に家庭復帰を目指すものであるとする当初の理念を堅持すべきであるとしている.老人保健施設の「通過性」の裏に長期滞在入所者の処置のあり方が問題となっている.そのためには,特別養護老人ホームなどの施設整備,家庭での療養が安心して受け入れられるための体制整備等が併せて検討すべき課題としている.このほか老人保健施設を在宅ケアの拠点として機能させるため,デイ・ケアを義務づけることや長期滞在者の退所促進策としての訪問看護および訪問リハビリテーションの実施などの検討が具申された.これを受けて,平成4年度から施設機能の一層の充実を図るようデイ・ケアや訪問看護や訪問リハビリテーションも実施可能となった.特に老人に関するケアは,地域における保健・医療・福祉にわたる総合的なシステムの中で提供される必要性から,老人保健施設の地域の中での役割や保健・福祉サービスとの有機的な機能連携の確保が重要な課題である.
このような視点の中で老人保健施設の運営の状況を踏まえ,その通過性と問題点を中心に,当老人保健施設高齢者支援センター「コスモピア熊本」の実状とも比較しつつ検討したので報告する.
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