地域ケアの実際―老人保健施設

Practice of Community-based Rehabilitation Service: Nursing facility for the elderly.

　「老人保健施設」とは

　「老人保健施設」は病状が安定した70歳以上（一部身体障害者手帳所有者65歳以上）の高齢者の心身の自立を支援し，家庭復帰を目指している通過機能をもったいわゆる中間施設として，1986年12月に老人保健法の一部改正により創設されたものである．1986年度に認められた全国7施設がテストパイロット的モデルとして実施され，それに基づいて1988年4月より本格実施された．

　1990年9月末現在の全国老人保健施設開設状況は365施設，総定員28,992床（表1）と3年余で急速に拡大しつつあり，2000年までの整備目標26～30万床の約10分の1に遠している．