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                                講座 運動負荷の基礎医学(1)
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    運動負荷と循環
                                    
                                    
                            
                            
                                    
                                    Cardiovascular Response to Exercise.
                                    
                                    
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                岸 良光
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                村山 正博
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                        
                                            
                                                Yoshimitsu Kishi
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                Masahiro Murayama
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1聖マリアンナ医科大学第2内科
                
                
                
                
                  1The Second Department of Internal Medicine, Saint Marianna University School of Medicine
                
                
                
                
                
                
                
                            キーワード: 
                            
                                
                                    最大酸素摂取量
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    心拍出量
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    Anaerobic Threshold(AT)
                                
                                
                            
                        
                
                            Keyword: 
                            
                                
                                    最大酸素摂取量
                                
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                                    心拍出量
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    Anaerobic Threshold(AT)
                                
                                
                            
                        
                
                pp.549-553
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1990年7月10日
                  Published Date 1990/7/10
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106311
                
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はじめに
Wasserman1)は細胞(内)呼吸と肺(外)呼吸の連関に対するガス輸送機構を説明する模式図(図1)を示しているが,筋肉,心臓,肺は歯車のように噛み合って機能している.
安静時に筋肉で酸素(O2)が消費され,二酸化炭素(CO2)が産生され,心臓,血液によってそれが肺まで運ばれて換気が行われる.運動した場合には,筋肉の酸素消費量(Qo2)が増加し,CO2の産生(Qco2)も増加するため,ガス交換を増やすことが必要となってくる.末梢系と心血管系と呼吸器系とが効率よく協調して,末梢血管の拡張,心拍出量の増加,肺血流量の増加,換気量の増加などを引き起こし,筋肉のO2需要量を充たすのである.
また,朝比奈2)は運動の循環機能への作用機序として図2のごとく説明しているが,筋肉の収縮による筋ポンプ作用の促進と,組織でO2不足,CO2増加が起点となって1回心拍出量増加,心拍数増加が引き起こされる.
一方,末梢循環は動静脈O2較差が大きくなり,これらにより組織への酸素供給が増大する.
以上のことより,運動に伴う種々の生理的変化は筋収縮エネルギー産生による細胞呼吸促進を円滑に進めるための一連の変化であることがわかる.また,運動負荷による心臓,末梢,肺の変化が協調的に機能するように,神経系,内分泌系,代謝系などが細部にわたって調筋をしていることも忘れてはならない.
以上の運動生理学の基礎的知識を背景にして,以下に運動負荷による末梢系,心臓系,呼吸器系の変化の基本的事項について述べる.

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