書評
Michael E.Groher 編 塩浦政男・藤島一郎 訳―嚥下障害 その病態とリハビリテーション
木村 彰男
1
1慶應大学医学部リハビリテーション科
pp.416
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106280
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嚥下は人が生きていく上で最も基本的かつ大切な行為であるが,医学的には,耳鼻咽喉科・消化器科・神経科など様々な領域にまたがるために余り注目されることは少なかった.一方,近年リハビリテーション医学が急速発達し,またQuality of Lifeの概念が普及するにつれ,嚥下障害に対しても積極的にリハビリテーション医学の面から取り組む姿勢が見られるようになってきた.本書はこのような状況の中で,まさにタイミング良く出版された待望久しい書物といえる.
嚥下に対しては様々な職種から成るチームアプローチが大切なことが強調されているが,本書の原著者は耳鼻咽喉科・神経科の医師をはじめとして,言語療法士・看護婦・栄養士など多岐にわたっている.一部に重複する箇所も見られるが,それぞれの専門職の視点から極めて実践的な問題について解説が加えられている.
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