最新版!摂食嚥下機能評価-スクリーニングから臨床研究まで
7. 摂食嚥下障害のグレード(藤島グレード),摂食状況のレベル(FILS)
國枝 顕二郎
1,2
,
藤島 一郎
2
1岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経内科学分野
2浜松市リハビリテーションリハビリテーション科
キーワード:
グレード
,
レベル
,
できるADL
,
しているADL
,
エビデンス
Keyword:
グレード
,
レベル
,
できるADL
,
しているADL
,
エビデンス
pp.1430-1434
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033141430
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背景と目的
藤島らは,1993年に『脳卒中の摂食・嚥下障害』で摂食・嚥下障害のグレード(Gr.)/藤島グレードを発表し,以降,多くの臨床場面や学会発表,論文等で使用されてきた 1).リハビリテーションでは,「できる」ADLと「している」ADLを区別して使用するが,グレードは「できる」能力を示した基準である.摂食嚥下障害において「できる」つまり「食べられる」能力を決めるためには嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)が必要になる.一方で,実際の現場では,常にVFやVE等の詳細な検査ができるとは限らない.そのため,患者が食べている状態をそのまま評価するツールが必要となった.当時から,聖隷三方原病院の嚥下チームでは,グレードを「できる」と「している」の両方に使い分けていた.しかし,曖昧さがあるグレードに対し,患者が食べている状態をそのまま評価するツールとして「摂食状況のレベル(Lv.)」が作成された 2).レベルはFIM(しているADL)に相当する.その後,筆者らが2013年に摂食状況のレベルをFood Intake LEVES Scale(FILS)として英語論文化し,それ以降,論文等でも広く使用されるツールとなっている(2024年10月時点,Google Scholarで引用件数421件) 3).本稿では,わが国で広く使用されているグレードとレベルについて概説したい.
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