Senior Course 生化学
Michael Somogyiとその業績
坂岸 良克
1
1埼玉医大・生化学
pp.915
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907727
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昨年10月,電気泳動法の創始者Tiselius教授がなくなって,次第に化学の世界も変わりつつあることを痛感していたとき,実はもう1人の偉大なる化学者が世を去ったことに気づかなかったことは漸塊にたえない,すなわち,血糖,尿糖,アミラーゼなどの測定にその名を残しているSomogyi博士である.
Michael Somogyiは1833年3月7日にオーストラリア・ハンガリーのライナースドルフで生まれた.ブダペスト大学にはいったのは彼が16歳の時で,学制の違いからこれを日本の例にあてはめることはできないが,とにかくその後工業化学で学土号をとるまで同大学で化学を学んだ.卒業後は生化学教室の助手になったが,アメリカ合衆国の自由と実力の世界にあこがれて渡米した.ところが,就職はそれほど思うようにならず,ニューヨークでドイツ人の物理学者に駅者として雇われ,のちにシンシナチーの織物会社に移ったが,その俸給は週7ドルであったといわれている.
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