書評
病院医療評価研究会 編―疾患別在院日数データブック
古川 哲二
1
1佐賀医科大学
pp.112
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106213
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このたび病院医療評価研究会の編集になる疾患別在院日数の統計が出版された.調査の対象となったのは東京都および近傍の国立,私立併せて5大学附属病院における昭和61年から2年間にわたる退院患者,約85,000の症例である.一読して大変な労作であり,また特異な本である.さすがに上記5大学のこの方面の専門家である若手研究者の手になるものだけのことはある.これまでこのような統計は余りなかったことで,その背景には患者情報,ことに診療録の統一的整理が各病院で進行したことによるところが大きい.
現在のところ急性,慢性の疾患352について,平均在院日数と,何%が何日で退院したかというパーセンタイル在院日数が提示されているが,症例が増えるに従い他の疾患についても追加されるであろう.さらに頻度の高い疾患については,これらの統計値をチャートにして在院日数分布を視覚的に把握できるように配慮されているのもありがたい.
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