短期連載 病院マネージメントからみた平均在院日数短縮法・5(最終回)
平均在院日数を超えて
加藤 尚子
1
,
長谷川 敏彦
2
1国際医療福祉大学医療福祉学部医療経営管理学科
2国立医療・病院管理研究所医療政策研究部
pp.692-695
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902762
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本連載では,「平均在院日数を短縮する」というテーマに沿って,一般病院の平均在院日数について様々な角度から論じてきた.まず日本の病院の平均在院日数は欧米諸国に比較して数倍の長さであり,病院機能の未分化性が長期化の要因になっていることを指摘した.少子高齢化社会へ向けての機能分化の潮流の中で,在院日数の短縮が必然的に求められる状況を説明した.次に,短縮のための取り組み方法をパターン化して体系的に提示した.また,実際の経営戦略決定の支援のための数値モデルを提示し,統計データによる裏付けを試みた.そして前回,在院日数が短くなると労働力の集約性も高まるので,当然看護婦数も増えるだろうと推測されるが,日本の場合,諸般の事情が入り組んでいて,この仮説は現在のところ検証できないことを指摘した.
最終回の今回は,具体的な事例を紹介しながら,これまでの議論を振り返ってまとめてみたい.
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