Japanese
English
特集 脳卒中リハビリテーションにおける評価
脳卒中の高次脳機能評価(半側空問無視)―リハビリテーション評価の問題点とアンケートによる実態調査
High Cortical Functions of Stroke Victims Unilateral Special Neglect: Importance of Evaluations in Rehabilitation.
石神 重信
1
,
田谷 勝夫
1
,
古閑 博明
2
Shigenobu Ishigami
1
,
Katsuo Taya
1
,
Hiroaki Koga
2
1防衛医科大学校リハビリテーション部
2熊本リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Physical Medicine and Rehabilitation, National Defense Medical College.
2Department of Rehabilitation Medicine, Kumamoto Rehabilitation Hospital.
キーワード:
半側空間無視
,
リハビリテーション評価
Keyword:
半側空間無視
,
リハビリテーション評価
pp.491-497
発行日 1989年7月10日
Published Date 1989/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106084
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
リハビリテーション(以下,リハと略す)分野では,視空間認知の障害は脳血管障害に合併して起こる劣位半球症状の一つとしてリハゴールの大きな阻害因子となる1,2)ことはよく知られている.しかしながら,障害程度や治療法についてはあまり言及されていない.
このことは神経心理学的にみても,複合した障害像を呈することや病態が不明であることとも関連しよう.症状発現のメカニズムについては,知覚障害説3,4),感覚入力障害説5),半球間抑制障害説6)や注意覚醒障害説7,8)などの諸説があり未だ議論が多く,ここでは詳細にふれるスペースはないので他誌9,10)を参照にされたい.
用語についても視空間失認,半側無視,視空間無視などといろいろと使われてきた経緯があるが,最近は半側空間無視(Unilateral spacial neglect)という言葉が,一般的に用いられ適当と思われる.
今回は半側空間無視のリハでの重要性と評価の問題点を述べて,リハで行われている評価法の実際を,専門医,認定医のいる施設へのアンケート結果から考察した.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.