Japanese
English
特集 多発性脳梗塞のリハビリテーション
嚥下障害・構音障害の評価とその対策
Evaluation and Rehabilitation Approach for the Patients with Dysphagia and Dysarthria.
椿原 彰夫
1
,
山本 純子
2
Akio Tsubahara
1
,
Junko Yamamoto
2
1川崎医科大学リハビリテーション医学教室
2慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター言語治療室
1Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School
2Devision of Speech Therapy, Tsukigase Rehabilitation Center
キーワード:
多発性脳梗塞
,
嚥下障害
,
構音障害
,
リハビリテーション
,
評価
Keyword:
多発性脳梗塞
,
嚥下障害
,
構音障害
,
リハビリテーション
,
評価
pp.521-531
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108123
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はじめに
リハビリテーション医学の臨床においては,急性に発症した片麻痺の程度が軽度であるにもかかわらず,嚥下機能の低下が持続し,脳のコンピューター断層撮影(CT)にて多発性に梗塞像を呈する症例が見受けられる.また,肺炎によって入院した高齢患者のなかに,その原因が誤嚥によると考えられ,発病前より歩行機能の低下や構音障害が徐々に進行していた症例に遭遇する.この場合,脳のCTでは多発性に梗塞像を認めることが少なくない.
「多発性脳梗塞」はCT上の所見であり,一つの疾患単位ではないため,必ずしも嚥下障害や構音障害を示すとは限らない.しかし,これらの機能障害を呈する場合には,生命維持の観点において重要であることは言うまでもなく,QOL(quality of life)の向上においてもその対策が必要である.
本稿では,多発性に脳梗塞を生じることによって嚥下障害や構音障害を来す場合の病変と臨床診断,評価ならびに,その対策について概説する.
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