Japanese
English
研究と報告
膝前十字靱帯再建後の大腿四頭筋に対する治療的電気刺激の効果
Effects of therapeutic electrical stimulation in quadriceps femoris muscle after anterior cruciate ligament reconstruction.
Christian Mucha
1
,
平澤 泰介
2
Mucha Christian
1
,
Yasusuke Hirasawa
2
1前 Rehabilitation Center of the University of Cologne and the Department of Medical Rehabilitation and Prevention, German Sports University, Cologne
2京都府立医科大学
1前 Rehabilitation Center of the University of Cologne and the Department of Medical Rehabilitation and Prevention, German Sports University, Cologne
2Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
膝前十字靱帯再建術
,
治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation;TES)
Keyword:
膝前十字靱帯再建術
,
治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation;TES)
pp.257-262
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101726
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要旨:〔目的〕本研究の目的は,前十字靱帯(ACL)再建術後に生じる大腿四頭筋の筋萎縮に対する治療的電気刺激(TES)の効果を評価することである.〔対象・方法〕ACL再建術を行った患者66例を無作為に,運動療法に加えてTESを併用した第1群とTESを行わない第2群の2つのグループに分けた.術前ならびにリハビリテーション開始から2週・4週・6週後に,大腿四頭筋の断面積を超音波によって計測した.大腿四頭筋の筋肉量のグループ平均を,リハビリテーション開始から2週・4週・6週後で比較し,術後筋萎縮の再生の進展状況について比較した.〔結果〕両群とも,内側広筋,外側広筋,中間広筋ならびに大腿直筋が萎縮を呈した.術後第2週では,筋萎縮の程度は20~40%であった.以後の週には筋萎縮の程度の改善をみたが,第6週後までには筋萎縮の程度は完全には回復しなかった.リハビリテーション開始6週後では,第1群は第2群と比較して筋萎縮の程度が有意に低かった(p<0.05).〔考察〕運動療法にTESを併用した場合でも,運動療法のみを実施した場合でも,リハビリテーション開始からの2週間で大腿四頭筋の筋萎縮を防ぐことはできなかった.しかし,TESを実施することで,その後の4週間で筋再生プロセスを高め,筋萎縮の程度が改善されることが示された.
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