特集 リハビリテーション医療の問題点
医師のリハビリテーション認識とリハビリテーション医師の養成
松家 豊
1
1国立療養所徳島病院
pp.622
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105898
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リハビリテーション(リハ)医師不足とは別に運動療法,作業療法の施設基準(昭和49年厚生省告示)が先行し保険診療がすすめられている.診療報酬は不採算性とはいえ,理学療法科あるいはリハビリテーション科が自由に標示され,PT,OTを主体にした訓練が行われている現状である.また,病院ではリハ患者は各臨床の主治医からの紹介で委託された治療の一環として,たとえリハが主目的でも一旦は主治医を介したシステムでリハが開始される共同診療制がとられていることが多い,大学では講座が,病院では病床をもった診療科がないためといえる.そこで主治医のリハに対する認識はどうであろうか,早期リハに理解をもち患者のニードに最終まで責任をもった医師も増えつつあるが,疾病をみて全体をみていない.リハ中止に対する連絡,リハからの問いかけ以外に少ない情報,治療法がないのでリハでもといった紹介などに接することがある.リハ診療での医師を含めたカンファレンスのない場合はことさらに相互の欠陥としてリハ認識の不足が問題である.リハ医療に対する教育面の貧困さを物語るものともいえる.
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