特集 医療計画
医療計画における医師の認識と役割
若松 栄一
1
1医療金融公庫
pp.28-31
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205240
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医療計画の必然性◇
工業化された世界の先進国では,その方法や程度にいろいろの差はあるにしても,国家的な関与による医療保障のしくみを持っていないものはない.しかもその保障の程度は拡大することはあっても縮小することはありえない.一方では人口の老齢化や産業構造の変化などによる社会生物学的変化を通じて医療需要の増大が加速され,さらには医学医術の進歩による高度医療の開発はとどまるところを知らない.
それら先進国においては国民医療費は国民所得に対して4-9%の率を占めている.しかもほとんどの国々で医療費の伸び率は国民所得の伸び率を上回っているのが近年の傾向である.それでいていずれの国民も医療が十分でないことに大きな不満を持っている.
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