巻頭言
リハビリテーションの認識
松本 淳
1
1福島県立医科大学整形外科
pp.241
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105568
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リハビリテーションという概念がわが国に導入されてかなり久しい.以前整形外科で手術後の後療法といわれていたものに似ているが,それよりずっと広い範囲をカバーしている.手段として理学療法や作業療法を用いているがそれだけではない.
リハビリテーションは,心身障害者の心身能力を高めて,家庭と社会の生活に適合させる一切の努力を包含している.ただに外傷後や病後の身体機能障害を回復させるだけでなく,慢性神経病や精神・運動機能発育遅滞,視力障害や聴力障害,内臓機能障害など,いわば病中というべき機能障害もその対象となる筈である.よく医学上の会話で,リハビリテーションと理学療法を混同した発言をきくことがあるが,そのように狭義にとってはならない.
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