特集 リハビリテーション医療の問題点
特集にあたって
横山 巌
1
1七沢リハビリテーション病院脳血管センター
pp.595
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105872
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リハビリテーション医療は新しい医療の領域であるが,日本リハビリテーション医学会が今年,創立25周年を迎えたことを思うと,わが国に本格的なリハビリテーション医療が発足してから既に4分の1世紀が経過したことになる.しかし,新しい医療の領域であり,後発の領域であることに伴って,また,わが国の医療全体の問題とも係わって,リハビリテーション医療には現在,色々な面で「これはおかしい」,「何とかしなくては」という問題点が山積しているように思われる.
本誌15巻7号(1987)の巻頭言で坂井和夫博士はリハビリテーション医療の問題点として,1)教育,2)医療現場,3)法的問題,4)地域における問題等を挙げ,医学部教育においてリハビリテーション医学の講座を有する大学が極めて乏しいこと,ST,MSWには資格制度もないこと,リハビリテーション・チームのリーダーとなるべき医師がリハビリテーション医学の教育を受けていないことが多いにも拘らず,医師の職権において処方権があることから生じたリハビリテーション医不要論,脳卒中患者のリハビリテーションの名目で発症後超長期の入院が平然と行われていること,地域におけるサービスが低調であること等々を論じておられたが,筆者も全く同感である.
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