特集 一般病院におけるリハビリテーション活動
特集にあたって
上田 敏
1
1東大病院リハビリテーション部
pp.493
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104182
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本号の特集は「一般病院におけるリハビリテーション活動」である.「一般病院」をどの範囲のものとしてとらえるかについてはいろいろの考え方があるが,ここでは端的に「リハビリテーション専門病院以外の病院」ととらえることにした.従来,専門病院以外の病院におけるリハビリテーション活動といえば「総合病院におけるリハビリテーション・サービス」という形でとり上げられることが多かったが,中小病院・有床診療所の圧倒的に多い日本医療の現状を考えると,総合病院に限ったのでは現実的でないと反省せざるを得ない.現に総合病院だけでなく,最近では中小病院にもリハビリテーション部門を設ける動きが各地に起ってきており,一つの趨勢となりつつあるといってもよい.
いうまでもないことながら,リハビリテーションは以前考えられがちであったように,一般の内科的・外科的な治療が終った後の「後療法」としてそれらにひきつづいて行われるべきものではない.障害の発生(発病)と同時に内科的・外科的治療とならんでスタートしなければならないものである.このことは近代的なリハビリテーションの発足と同時に,10数年前から強調され続けてきたことであるが,それが可能になるような場を作ることの困難さから,一部を除いて最近までなかなか実現できなかったことである.もちろん現在でもスタッフや診療報酬の面での制約は大きく,すべての一般病院にリハビリテーション部門を設けるということは理想としてはよくても現実には望み得ないことである.
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