Japanese
English
症例報告
低Na血症の急速補正後に中枢神経障害をきたした1例
Central Nervous System Damage Following Rapid Correction of Hyponatremia: A Case Report.
江口 清
1
,
澤田 雅彦
1
,
藤井 泰
1
,
財満 達也
1
,
杉岡 宏
1
,
近藤 徹
1
,
三上 真弘
2
Kiyoshi Eguchi
1
,
Masahiko Sawada
1
,
Yasushi Fujii
1
,
Tatsuya Zaima
1
,
Hiroshi Sugioka
1
,
Toru Kondo
1
,
Masahiro Mikami
2
1埼玉医科大学リハビリテーション科
2埼玉医科大学川越総合医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Saitama Medical School.
2Department of Rehabilitation Medicine, Saitama Medical Center.
キーワード:
低Na血症の急速補正
,
Central pontine and extra-pontine myelinolysis
,
リハビリテーション
Keyword:
低Na血症の急速補正
,
Central pontine and extra-pontine myelinolysis
,
リハビリテーション
pp.465-467
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105840
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はじめに
血清Na値の慢性的な低下は,食欲不振,嘔気等の他,意識障害を始めとした非特異的で多彩な中枢神経症状を引き起こす1,2).近年では,1959年Adamsらの報告3)に始まるCentral pontine myelinolysis(以下CPM)について,低Na血症との関連が注目されるようになり,さらにその急速補正が重要な因子である可能性が,動物実験の裏付けをもって指摘されるに至った4).しかし,CPMは死亡率が高く,リハビリテーション(以下リハビリ)の対象となることはきわめて稀である.また,血清Na値の異常に起因する中枢神経障害に関しても慢性期の経過については知見に乏しい.
今回,原因不明の低Na血症を急速補正後,中枢神経系に後遺症を残した症例に対し,リハビリを行う機会を得たので,CPMの可能性やその発症機構を含め,若干の考察を加えて報告する.
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