Japanese
English
短報
左半側空間無視患者のプリズム適応―健常者との比較
Prism adaptation in patients with left hemispatial neglect;comparison with healthy persons.
中野 奈古美
1
,
倉澤 友子
1
,
前田 陽子
1
,
阿部 薫
1
,
水野 勝広
2
,
辻 哲也
1
,
里宇 明元
1
Nagomi Nakano
1
,
Tomoko Kurasawa
1
,
Yoko Maeda
1
,
Kaoru Abe
1
,
Katsuhiro Mizuno
2
,
Tetsuya Tsuji
1
,
Meigen Liu
1
1慶應義塾大学病院リハビリテーション科
2東京都リハビリテーション病院
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
2Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
キーワード:
脳血管障害
,
左半側空間無視
,
プリズム適応
Keyword:
脳血管障害
,
左半側空間無視
,
プリズム適応
pp.501-505
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100855
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要旨:プリズム適応(prism adaptation;PA)療法は半側無視の治療法として近年注目されているが,改善の理由については十分に検討されていない.そこで本研究では,PA課題における半側無視患者と健常者の反応を比較し,両者間でPAに相違があるかどうか検討することを目的とした.対象は40~70歳代の左半側無視患者8名,健常成人10名とした.Frassinettiらの方法に準じ,右へ視野が10°偏位する眼鏡を用い,PA課題を施行し,眼鏡装着前,装着中,外した後のリーチ動作において目印からのずれ幅を算出し,両者間で比較した.眼鏡装着中,外した後ともに,無視患者は健常者に比し,ずれ幅が小さく,ずれを修正する過程で視覚情報を利用する割合が少ないことが考えられた.その理由として,プリズム眼鏡により強制的に視覚的な空間がずらされたことが空間のゆがみを認識する刺激となり,視覚に頼らなくなってしまった知覚―運動相互作用の偏りと病的亢進を変化させた可能性が考えられた.
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