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実践講座 核医学の今・第2回
虚血性心疾患
Nuclear cardiology for diagnosing ischemic heart disease.
橋本 順
1
Jun Hashimoto
1
1東海大学医学部専門診療学系画像診断学
1Department of Radiology, Tokai University School of Medicine
キーワード:
心臓核医学
,
SPECT
Keyword:
心臓核医学
,
SPECT
pp.1435-1441
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105732
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はじめに
核医学検査とは放射性同位元素(radio isotope;RI)で標識された各種の薬剤である放射性医薬品を投与し,その生体内での分布を専用の撮像装置で体外からとらえて画像化し,それをもとに疾患の有無や重症度,病態を把握する検査法である.心臓核医学検査は核医学検査のなかでも一大分野をなしており,なかでも心筋血流単一光子放射断層撮像(single-photon emission computed tomography;SPECT)は心臓核医学検査の中心的な役割を担っている.安静時の心筋血流評価のみならず,運動や各種薬剤を使用した負荷検査により冠血流予備能の異常を日常の検査において簡便かつ非侵襲的に評価でき,造影検査により把握される冠動脈の血管形態とは異なる機能的な情報を与える.また血流のみでなく,心機能,心筋壊死,心筋代謝,心臓交感神経機能障害といった多くの種類の情報が得られることはコンピュータ断層撮影(computed tomography;CT)や核磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging;MRI)などにはない特徴でもある.
本稿では心臓核医学の手法を概説し,核医学による運動耐容能の評価,心筋viabilityの判定と心機能回復の予測,予後評価や心事故のリスク層別化などについて心筋血流イメージングを中心に述べることとする.
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