一頁講座 入所型社会福祉施設と法規(10)
重症心身障害児施設について
笹生 俊一
1
Shun-ichi Sasao
1
1国立療養所宮城病院
1Miyagi National Hospital
キーワード:
重症心身障害児
,
入所型社会福祉施設
,
児童福祉法
Keyword:
重症心身障害児
,
入所型社会福祉施設
,
児童福祉法
pp.1189-1190
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107236
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療育サービスの特徴
最古の日本神話古事記には,私達日本人のルーツであるいざなぎ,いざなみの2人の命の第一子が重症心身障害児であり,3年間の養育の後,葦舟に乗せて川へ流し去ったとあり,さらに第二子も精神薄弱児であった記述は驚きである.以来,長い歴史の中で,重症心身障害児(以下,重心と略す)のおかれてきた境遇は,社会から隔絶された悲惨なものであったことは想像に難くない.“養育”が困難な障害児に対し,組織的な“療育”を施すのが重心施設である.“養育と療育”との違いはどこにあるのか.“療育”は,医療を目的とする専門職集団によって,はじめて可能となることである.本来の障害と,それに伴う合併症などへの医学的(治療的)アプローチと,より高い日常生活維持を目的とする養育的(指導的)アプローチが,その根幹である.障害児の人間として生きる権利の回復を図ることにおいて,まさにリハビリテーションの目的,理念そのものである.
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