連載 子供の車椅子・電動車椅子・第6回
車椅子や電動車椅子を使ってできる子供のスポーツ
中村 詩子
1
Utako Nakamura
1
1横浜市リハビリテーション事業団横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Services
キーワード:
子供
,
車椅子
,
電動車椅子
,
障害者スポーツ
,
パラスポーツ
,
スポーツ用具開発
Keyword:
子供
,
車椅子
,
電動車椅子
,
障害者スポーツ
,
パラスポーツ
,
スポーツ用具開発
pp.299-302
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203073
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福岡市の普通小学校の通常学級と支援学級の両方に通い簡易型電動車椅子を常用する児童の体育授業の1例を紹介する.先天性多発性関節拘縮症による手足体幹の関節運動機能障害があり,床座り不可,寝返り可能,首から上は正常な児童である.体育はほとんど通常学級に参加し,見学は他の児童と同様で体調不良の時だけである.マット運動は本人の可能な動きで参加,縄跳びは寝返り運動,ダンスは電動車椅子,球技は電動車椅子サッカーのフットガード1)を取り付けて行い,かけっこは,距離を縮めて僅差でゴールできるスタートラインから電動車椅子で参加する.これらの個別の工夫は,担任と児童本人と話し合って参加できる方法を決めて,支援員が介助しており,充実した体育の授業ができているそうだ(図1).
近年,障害のある子供たちが日常生活で使う福祉用具の種類は年々増えている一方,冒頭の例のようなスポーツや余暇活動を気軽に楽しむための用具や,環境,支援は,まだ多くないと思われる.筆者は,子供たちの余暇活動の支援として,日常生活で使っている簡易型電動車椅子で,気軽にサッカーを楽しめるフットガードの開発と普及活動を行っている(図2).本稿では,子供が楽しめる障害者スポーツ(以下,パラスポーツ)とその専用車椅子の現状と事例,課題を示す.
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