Japanese
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特集 神経筋疾患
筋ジストロフィーの発生機序に関する最近の知見
Recent Concepts in Pathogenetic Mechanism of Progressive Muscular Dystrophy.
埜中 征哉
1
Ikuya Nonaka
1
1国立武蔵療養所神経センター微細構造研究部
1Division of Ultrastructural Research, National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders.
キーワード:
進行性筋ジストロフィー
,
筋壊死
,
再生
Keyword:
進行性筋ジストロフィー
,
筋壊死
,
再生
pp.583-590
発行日 1986年8月10日
Published Date 1986/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105643
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はじめに
進行性筋ジストロフィーは名のごとく,常に筋力低下が進行して止ることをしらない残酷な病気である.筋力低下は筋線維の変性,壊死の結果である.筋線維がなぜ,どのようにして壊死に陥るのか,それはだ未解決のまま残されている.筋線維はまた再生能力がある.進行性筋ジストロフィーも例外ではなく,筋線維が壊死した後には活発な再生がみられる.筋線維がどれだけ変性,壊死しようとも,再生がそれを十分代償すれば,筋力低下は進行しないはずである.再生能力が十分でないのか,あるいは再生を妨げるものがあるのか,進行性筋ジストロフィーでは筋線維の脱落が進んでいく.
本稿では,なぜ筋が崩壊するのか,その仮説を紹介し,再生との問題,遺伝子との問題について,筋ジストロフィーの中で最も頻度の高いDuchenne型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy,DMD)を中心に述べることにする.
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