Japanese
English
特集 筋疾患の基礎
筋の再生
Skeletal Muscle Regeneration.
埜中 征哉
1
,
杉田 秀夫
2
Ikuya Nonaka
1
,
Hideo Sugita
2
1国立武蔵療養所神経センター疾病研究第一部
2東京大学医学部神経内科
1Division of Neuromuscular Research, National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders.
2Department of Neurology, Brain Research Institute, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
キーワード:
骨格筋
,
再生
Keyword:
骨格筋
,
再生
pp.435-442
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104555
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はじめに
筋線維に再生能力があり,外傷後あるいは病的過程中に活発に再生がみられることはよく知られている.動物骨格筋に機械的あるいは化学的傷害を加えると筋は壊死に陥るが,続いて活発な再生が起こりほぼ完全に再生する.臨床的には多発性筋炎のような筋力低下をみる疾患で治療により再び筋力が回復することはしばしば経験する.これは筋炎には活発な再生現象があることより理解できる.一方進行性筋ジストロフィーでも活発な再生現象は存在する.それなのになぜ筋線維の数が減り,症状が進行するのか未解決の大きな問題である.
再生線維は組織学的あるいは組織化学的にその存在が確認できる.本稿では形態学的所見を中心として筋線維がどのようにして再生していくのか論じ,さらに進行性筋ジストロフィーの再生の問題点に言及してみたい.
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