連載 症例による座位保持装置の紹介
筋ジストロフィー―姿勢保持機能付き電動車いすと除圧機能付きエアーセルクッション
飯島 浩
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター地域リハビリテーション部研究開発課
キーワード:
進行性筋ジストロフィー
,
電動リクライニング・ティルト式普通型電動車いす
,
車いす用除圧機能付きエアーセルクッション
Keyword:
進行性筋ジストロフィー
,
電動リクライニング・ティルト式普通型電動車いす
,
車いす用除圧機能付きエアーセルクッション
pp.392-395
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102042
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進行性筋ジストロフィーにおける運動障害の主体は筋力低下であり,二次障害として変形・拘縮(脊柱・下肢)が加わる.随意性・巧緻性は保たれ,耐久性が低下する.さらに心筋の障害による心不全,呼吸機能障害が問題となる.進行の速さは個人差があるが,ほぼ10歳前後で歩行不能となり,車いす導入に至る.その後,車いす上での座位保持可能な段階を経て,15~18歳頃には自力での座位保持が難しくなりシーティングの配慮が必要となる.
上肢の筋力低下は下肢より遅れるが,肩,肘,前腕,手内筋の順に低下する.それに伴い車いす駆動が困難になり電動車いすへの切り替えを行う.手内筋の筋力は最後まで残り,キーボード,スイッチ操作などは操作力が弱くなるものの可能である.呼吸筋も四肢の筋力低下とともに萎縮が進む.
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