巻頭言
患者中心の医療
大土井 淑郎
1
1中伊豆温泉病院
pp.85
発行日 1986年2月10日
Published Date 1986/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105532
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最近,患者中心の医療が強調されており,関連した講習会がどこかしこで催されている.医療をとり巻く環境が近年一段と厳しくなり,親方日の丸の病院は別として,大部分の医療機関は患者サイドに立った運営をしなければ生き残れないという危機感がそのベースにあると思われる.契機はどうであれ,患者の立場に立った医療サービスへの志向は望ましい傾向である.
リハビリテーション医療は狭義の診断・治療の域に出て,患者の障害学的,心理的,社会的,家庭的諸問題に対し,多角的にアプローチする包括的医療であるから,元来,患者の立場を配慮した医療であるはずであるが,医師やPT・OT・ST・看護婦などのいわゆるallied medical professionやその他の職種の間に,果たして患者中心主義が十分に浸透しているであろうか.
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