書評
高木健太郎・山村秀夫 監―東洋医学を学ぶ人のために
大島 良雄
1,2
1東京大学
2埼玉医大
pp.507
発行日 1985年7月10日
Published Date 1985/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105412
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近年わが国の医師や世人の間で東洋医学に対する関心が急速にたかまってきた.それは針麻酔が欧米の医学界で取上られたり,中国医学の“驚異的効果”がマスコミで騒がれたりした影響だけではなく,明治政府の抑圧政策にかかわらず東洋医学の伝統を守った先人の努力とこれを支えた一部大衆の経験の積み重ねが時を得て花を開いたという事実も忘れてはならないであろう.
さて湯液も針灸も法的には医師なら誰でも応用することが許されているが,その前提となる証の決定と,その背景をなす東洋医学の原理は現代医学で育った医師にはなかなかなじみにくく,理解し難い所がある.
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