Japanese
English
特集 精神薄弱児のリハビリテーション
精神薄弱児の運動発達
Motor Development of Mentally Retarded Children.
池田 由紀江
1
Yukie Ikeda
1
1筑波大学心身障害学系(保健学)
1Institute of Special Education, University of Tsukuba.
キーワード:
精神薄弱児
,
運動発達
Keyword:
精神薄弱児
,
運動発達
pp.417-423
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105392
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心身障害児の早期発見・早期療育の必要性は医療,福祉,教育の分野で叫ばれ押し進められつつある.特に最近では乳児健診や1歳6カ月健診等により,ほとんどの心身障害児あるいはハイリスク児は1歳6カ月までに母子保健の領域で発見されているといえるだろう.乳児健診にてなんらかの障害が疑われる場合,その症状の主なものは運動発達(Gross Motor Development)の遅れであり,その運動発達の遅れを主訴とする乳児のかなりな割合を精神薄弱児が占めている.
精神薄弱児の運動発達を論ずる場合に,精神薄弱といってもその状態像は種々であり一概には論じられない.乳児期初期から運動発達遅滞が著しく,たとえば定頸の遅れによりその障害が発見される場合もあるが,一方では運動発達の遅滞はそれほどではなく始歩期も標準であったにもかかわらず知能障害は重度である場合もある.また最近では心身障害の程度が重く種々の合併症あるいは奇形などを有していることが多く,精神薄弱においても脳性まひ,筋疾患,骨や関節の異常などを含併している場合もある.
本論文では主として精神運動発達遅滞のみを主症状とする精神薄弱児の運動発達をとりあげ,そのリハビリテーションのあり方と関係づけて述べることとする.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.