オリパラ関連企画 理学療法士が知っておきたい重要なスポーツ動作・5
腰部障害と水泳動作
成田 崇矢
1
1健康科学大学健康科学部理学療法学科
pp.444-445
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201197
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競泳における腰部障害と発生メカニズム
水泳選手に多くみられる腰部障害は,① 筋・筋膜性腰痛と呼ばれる筋疲労性の腰痛,② 腰椎分離症,椎間関節障害さらには仙腸関節障害などの関節由来の腰痛,③ 椎間板障害や椎間板ヘルニアなどの椎間板性腰痛に大別される1).これらの発生メカニズムは,上肢で行うストローク動作と下肢で行うキック動作の基盤となる腰部へのメカニカルストレスの繰り返しによる,いわゆる「使い過ぎ症候群」が原因となる2)が,それぞれの病態により原因は異なる.① 筋・筋膜性腰痛の場合は,泳動作中の体幹安定のために背筋群を過剰に用いている可能性が高く,② 関節性の場合は,障害関節部に過度の負荷が加わる泳ぎ方,誤動作,③ 椎間板性の場合,無重力化で椎間板に栄養循環が行われない状態での腰部運動の繰り返しをもととする椎間板変性が影響している.
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