Japanese
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研究と報告
等運動性理論による等速度他動運動時の運動覚に関する検討
Study on Kinesthesis during Uniform Velocity Passive Movement by Isokinetic Concepts.
丸田 和夫
1
,
白倉 卓夫
1
,
小泉 慶一
2
Kazuo Maruta
1
,
Takuo Shirakura
1
,
Keiichi Koizumi
2
1群馬大学医学部附属病院草津分院リハビリテーション部
2群馬大学医学部附属病院整形外科
1Department of Rehabilitation, Gunma University School Medicine, Kusatsu Branch Hospital.
2Department of Orthopedic Surgery, Gunma University Shcool of Medicine.
キーワード:
等運動性理論
,
運動覚
Keyword:
等運動性理論
,
運動覚
pp.371-374
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105381
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はじめに
身体運動を制御し具体的動作を円滑に遂行するためには,空間における身体各部位の位置ならびに運動の方向や程度などを伝える運動感覚(kinesthesis)が正常に保たれていなければならない3,4).また運動感覚は運動技能を向上させる際,とくに感覚―運動学習(sensory motor learning)過程においては自己受容的フィードバック(proprioceptive feedback)情報として重要な役割を果たしている5,6).その中の一部のものは主に関節内部の自己受容器やその周辺組織の外受容器などからの求心性神経衝撃によって中枢へ伝達され,意識的深部知覚(conscious deep sensation)として認識される1,17).
このような感覚の検査は一般的には神経学的診察法による方法を用いて行われている2,13).それは四肢の関節を他動的に動かして,その時の関節覚を位置覚(sense of position)や運動覚(sense of passive movement)として測定しようとする方法である.しかし他動的な関節運動を徒手的に行った場合には検者の手による圧力や運動速度を一定に保つことが難しく,その識別能力を定量的に評価することは不可能である.
そこで,われわれは新しく開発された等運動性理論(isokinetic consepts)7,14)による訓練機器9)を用いることによって,他動運動時の関節覚を定量的に測定することを試みた.今回はとくに健常者における等速度他動運動時の運動覚について検討したので,その成績を報告する.
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