ひと
昭和59年度高木賞受賞者―巨大な実践的指導者― 七戸幸夫(しちのへ・ゆきお)博士
河邨 文一郎
1
1札幌医科大学
pp.318
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105368
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七戸幸夫博士は大正13年生れの生粋の道産児で,旭川中学,陸軍士官学校(中退),北大医学部を終え昭和26年,札幌医大整形外科に入局,累進して講師となられた.昭和32年,北海道立札幌整肢学院副院長にお迎えしたが,全道の肢体不自由児父母の会の育成や,昭和35年,全北海道を襲った空前絶後のポリオ集団発生のとき私の無二の協力者として果たされたすばらしい活躍は,いまもリハビリテーション関係者の話題をにぎわせる.
これまで28年もの間,七戸氏は心身障害児者のために一身を捧げてきた.外柔内剛,心やさしい理想家で先見性に秀で,昭和37年,新設の旭川整肢学院(現在の療育センター)院長就任後は,全国肢体不自由児施設運営協議会の理事として日本の療育界に重きをなし,特に北海道北半部では辺地のすみずみまで直接療育の実践に当られた.巨大な実践的指導者として氏が手づくりで育てた子供たちは,いますくすくと社会復帰の緑野に伸びている.
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