一頁講座 義肢のパーツ・4
油圧,空圧制御膝
中川 昭夫
1
1兵庫県リハビリテーションセンター義肢装具開発課
pp.319-320
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105369
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摩擦を利用した制動装置と簡単な伸展補助装置によっても,かなり満足できる歩行が可能であることは,前回述べられた通りである.しかし,日常の歩行は一定のものばかりではなく,歩行速度は様々に変化する.そのような状況では,歩行速度の変化に応答して,制動抵抗が変化する装置が必要である.現在では,これらは空気または油などの流体を利用した装置により,ある程度実現されている.歩行のサイクルのうち,速度にかかわるのは遊脚相であり,いずれの装置も遊脚相制御を中心として設計されている.
流体を媒体とした装置の抵抗力は,シリンダのある部屋と他の部屋の間に設けられたオリフィス(絞り)部分を,流体が高速で流れる際に発生する.この抵抗力は,そこを流れる流体の流速に応じて変化するため,オリフィスの断面積が一定であっても,ある程度の範囲で歩行速度に対応して,その抵抗が変化する.
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