学会報告
第66回関東リハビリテーション医学懇話会―1991年6月22日,於:順天堂大学新館講堂
近藤 徹
1
,
間嶋 満
1
,
財満 達也
1
,
藤井 泰
1
,
岨 康二
1
1埼玉医科大学リハビリテーション科
pp.275-278
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107039
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1.脳卒中片麻痺・重症心室性不整脈を合併した末梢循環障害による下腿切断の1例に対する義肢装着訓練におけるリスク管理
脳梗塞による片麻痺と急性動脈閉塞による下腿切断(麻痺側の)に加えて,著しい左室機能低下とshort run型心室性期外収縮を合併した1例(64歳,男性)に対して行った義肢装着訓練時のリスク管理について報告した.
本症例におけるリスク管理のポイントとしては,①義肢装着訓練そのものを運動負荷試験と考え,それによる不整脈の変化と心不全症状の有無とをもとに訓練内容を決定したこと,②最終的な移動に関するゴールは,運動負荷によって増悪する心室性期外収縮を,左室機能障害のさらなる低下をきたさない範囲でのβブロッカーの少量投与によってコントロールし得たことを基盤として,車椅子走行と義足歩行での2個連続型心室性期外収縮の出現頻度と心不全症状の出現の有無,ならびに移動効率の比較とによって決定したこと,が挙げられる.
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