Japanese
English
特集 誤用症候群とその対応
片麻痺患者の肩の痛み―臨床症状と動態X線所見
Hemiplegic Shoulder: Clinical Evaluation and Cineradiographical Analysis.
野村 栄貴
1
Eiki Nomura
1
1東京専売病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokyo Senbai Hospital
キーワード:
片麻痺
,
肩関節
,
亜脱臼
,
動態X線
Keyword:
片麻痺
,
肩関節
,
亜脱臼
,
動態X線
pp.369-373
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107606
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はじめに
脳血管障害後の片麻痺患者に合併する肩関節痛は,古くからhemiplegic shoulderと呼ばれ,後遺障害の大きな問題の1つであった1,2).肩関節周囲炎,亜脱臼,肩関節拘縮などの他,多くの病因が報告されている1,2,4~7).片麻痺患者に肩関節痛が生じた場合には単に肩関節周囲炎,可動域制限があれば肩関節拘縮,X線所見で亜脱臼があれば肩関節亜脱臼による痛みなどと診断されることが多い.したがって,治療は可動域制限があれば温熱療法やROM訓練,亜脱臼があればarm slingの処方が行われるのが一般的である2).筆者は片麻痺患者の肩関節の臨床症状,亜脱臼および動態X線所見について調査し9),新しい知見を得ているので,以下,要点を簡潔に述べる.誤用のない効果的なリハビリテーション訓練につながることができれば幸いである.
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